年末商戦2日目――チャーハンを夕方の村で販売

25日も村での販売の予定を入れてある。メニューはチャーハンで、こちらもドライカレーに負けず劣らずの改善を繰り返している自信作。今回はエースの「紅生姜(南国フルーツ味)」を欠いてはいるものの、その状態でもドライカレーよりおいしいと言う子が居るくらいのレシピである。多くのウェブページや動画を見てきたので、原材料を見るだけで、味がわかる(明らかに抜けている調味料があり たいしたことないなと思う)ようになってしまった。ラードか豚バラ肉の刻みでも入れない限り――つまり、卵と干しエビと野菜と通常の調味料だけで現行の私のチャーハンに勝るものは、ネットに限るなら見当たらない。味覇とか冷凍チャーハンがおいしいらしいが、日本に居たころも今も食べたことはないので残念ながら比べることができない。

午後。疲れの残る体で市場まで30分ほどの距離を歩き、材料を買ってくる。「新鮮な青ねぎ」というのに目をつぶれば、米・玉ねぎ・卵・干しエビなどの日持ちする材料だけで作ることができるので、買い置きしておけばこの工程は省くことができそうだ。村から市場へのちょうど中間くらいの所に畑(と小屋)が位置しており、中継基地としては絶好のロケーションで、食材のストックは主にここにある。メインの住居はこちらであり、仕事のない日はこちらで寝起きしている。住処は分散化されており、浜に知人の小屋が2つ、その気になれば寝させてもらえる友人の家も市場近くと隣の市に2つあるので、レントスペースと合わせれば6つ確保してあることになる。

本日は、台車は村の方へ移動済みなのでその分はラクなはずである。時間にもゆとりをもたせて村に入った。東の原っぱには、今日こそ多くの子供が走り回っている。
レントスペース前で炊飯した釜を、子供用ジーンズに包んで保温。それを台車に積み込んで東の原っぱに移動し、明るいうちに調理に取り掛かったが、日が沈みロウソクを灯し続行。しかし火を吹き消すという悪戯(遊び)が横行し その度に中断。
月明かりとライトだけで続けることもできたが、日没後は犯罪率が格段に上がる。目を光らせていないと調味料や調理器具が次々と消えていくのだ。悪意のある子の他に、フィリピンでは物を大切にするということがないので、冗談半分で取って 私が気付かなければ(=遊びに 乗ってこなければ)そこら辺に捨てるという子も居る。こちらはたまったものではない。

販売は絶好調で、子供はほとんどの場合分けあって食べるので、おいしいことがわかったら次々と注文が入る。1kgの米を使ったチャーハンは、8時過ぎに完売(下の写真は最後の一組)。

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終わってみれば363ペソの現金売上、これは1kg米で作ったメニューとしては最高の売上額となった。ウータンの割合も30ペソと低く抑えられている。因みに自家消費は25ペソ分で、Freeは12ペソ分、風防としてガス台の近くに模造紙を持ってもらった子に進呈したりした分。

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閉店間際、来客が一段落したときに台車を撮影。左翼にガス台置き場を備え、右翼に もう一枚置き台を拡張できるというオプションも備えたスグレモノ(?)だ。

青年がソフトドリンクと引き換えとして買っていったので袋入りのそれが写っている。

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チャーハンの魅力はなんといっても他のメニューと比べ原料費が安いこと。今回のコストは125ペソ、総売上が393ペソなので、差分の268ペソが利益ということになる。ガス代は含まれていないが、5ペソくらいのはずでカレーを煮込むのでない限り無視できる範囲だ。
時給換算としては、フィリピン人の行う軽作業を40ペソとすればその1.5倍近くになるので、少なくともチャーハンの調理販売に限ればフィリピン人の仕事より抜きん出ているといえそうだ。

手元には20ペソ紙幣も含めて多くの現金。そういえば、いつもは5ペソの注文(ハーフオーダー)がほとんどなのに、今日は10ペソの注文が多かった。前日の「レイワ・マネー」の流入か。
Japan資本による「提供」での、Japan料理の「提供」となったわけで、いうなれば「(面識もない)まさかの日本人コラボ」ということか。

しかし今回明らかになったのは、このビジネスモデルの「第一制限アミノ酸」って(薄々気付いていたけど)やっぱり「子供の持ち金不足」だったんだなってこと。私の命運は子供たち(の財布)に握られているのか…、それとも連日料理を作っていれば、夕方までその日のお小遣いを使わずにキープしてくれるのだろうか?
まだまだ油断はできない。