大晦日のドライカレー販売

今週のお題は「下書き供養」ということで、随分昔になってしまったが
尻切れトンボになっている昨年末の特別セール最終日、つまり大晦日の様子をお伝えしたい。

 

最終日は、一番人気のあるドライカレーを再び作って売り歩くことに。
前年の仕事用ノートを見たところ、1kgの米で作ったドライカレーが、深夜までよく売れて300ペソを超える現金を手にしたようで、今年は強気に1.25kgを炊くことにした。
私のドライカレーの現行のレシピでは、市販のカレーパウダー(300ペソ/kgで購入)にMDH社のPAV BHAJI MASALAを3:1くらいで使っている。後者の方は青マンゴーパウダーが結構な割合で含まれているようで、甘酸っぱいフルーティな香りを纏って仕上がる。さらに日本でもよく添えられているようなフルーツも入れ、フィリピンでは決して見ることのない「ドライカレー」というものができあがる(ビリヤニというのなら行く所に行けばあるが それともちょっと違う)。

村への入りは、今日は深夜まで営業することもあって、やや遅め。
調理中、「フシッ」とフィリピンの人がよくやる人を呼ぶときの声。見遣ると よく買ってくれている女の子の家の方からだ。今日まだ顔を見ていないはずだが、カレーの匂いでも嗅ぎつけたか。続けて「ビリアコ〜(私、買います)」と、か細い声が聞こえる。
調理の合間にそちらに行って、竹張りの柵の隙間から覗くと、玄関というか土間のスベースでハンモックに揺られている母親氏と目が合う。昨年の大晦日か、はたまた最近か門限を守らないことがあったのだろう、本日は外出禁止というわけのようだ。

f:id:taippii:20201231194437j:plain
さて、調理が終わり、件の女の子から注文を頂いているわけで、また、大晦日に自宅軟禁というのも、不憫な話である。はて どうしたものかなと思っていると、当人は家の中に居て、その家のコンクリ壁と屋根の間には、度の家にもあるように10センチほどの隙間がある。そこにドライカレーを投げ入れると、さぁ どうなるか。
(写真は後日撮影したもの。見えにくいがブロックと屋根の波板の間に隙間があ。右奥が「竹張りの柵」)

f:id:taippii:20210226124404j:plain
少し多めにサービスをして袋に詰め、口をしっかりと結び、狙いを定めて放り投げると、一発でその隙間をうまくすり抜け、室内に落下したようだった。
調理した台の上を片付けて、行こうとした頃に 女の子の家の方から母親らの声が。
なんでドライカレーを食べているのだ、と問い詰められているか、女の子はしどろもどろ、半ベソになって受け答えをしている。プププ、私はこのテのいたずらが大好きなのだ。この女の子には日頃からいいほどロコロコ(悪さ・いたずら)されているので、このくらいはどうってことない。
今年最後の善行(悪行?)を終え、東の原っぱへ向かう。

昨年は村の主催かどうか、ディスコが催され、子どもたちや若い男女がワイワイ騒いで踊っていたが、今年は無く、それでも村の所々に大きなスピーカーを保有している宅があるらしく、その前で散発的ながら大音量でのディスコが開かれている。
酒の入ったおばさんも踊ったりしていた。
(下の写真はいずれも昨年末のもの. 今年はこのような照明は無い)

f:id:taippii:20191228232029j:plain

f:id:taippii:20191228231915j:plain

f:id:taippii:20191231214749j:plain

今年はコロナの影響ということか、大きな音のするラッパの販売が禁止されたようで、年の変わる時間になっても、その音は聞かれない。2、3人の主婦が金盥を銅鑼代わりに打ち鳴らして歩いたり、青年がバイクのエンジンを空ぶかししたりするくらいだ。それでも子どもたちはそうした時間まで起きていてロケット花火をしたりして遊んでいた。
私の方はというと、それほど若い年でもないので12時半くらいに閉店、ドライカレーは多少余ってしまったが、明朝もよく売れるはずで、さほど心配せずに浜の方に寝に行くことに。


元日も休まず営業! ということで朝から残っている分を売り歩く。子どもたちはまだ本日の分のお小遣いを貰っているか、なかなかの売れ行きである。持ち合わせのない子にも、New Year のサービスとしてウータンを許可していく。9時過ぎには完売。

f:id:taippii:20210101084742j:plain

 

 

かくして年末特別セールは幕を閉じた。

連日の売上をみていくと…昔はHTMLでTable(表)なんかを作ったものだが、今回は省略。現金と売掛を足したものからコスト・自家消費分・Free分を差し引いたものを利益とすれば、冷やし中華の(たった)14ペソというのを除いて概ね150〜250ペソといったあたりとなった。

正月気分が抜けることには、子どもたちのお小遣いも元通りとなり、つまり作っても売れ行きが悪くなるため、小学校での昼休みの時間をメインとした態勢にシフトしていったことが昨年のノートからは窺える。しかし今年はコロナ禍で小学校そのものが閉鎖となっているために、そうした手段は取れない。細々とでも村に通って販売を続けるしかないようだ。

ちなみに、前出の女の子にはきっちりとウータン(借金)プラス10ペソとさせて頂いている。