フィリピンでの水浴びと雨季

今週のお題お風呂での過ごし方

 

前回からしばらく間が空いてしまった。
書くべきことは
・デジカメが壊れて、修理に出すまで新しい写真が取れない
・畑を今月いっぱいで出ることになり、村での寝起きが中心となった
・村の住居でサリサリストアを開業、料理の方もやや規模を縮小しつつも ほぼ毎日営業することになった
・日本語を話せる在日歴25年を擁する強力助っ人登場。しかし…
・取り置きの日本円16万では既に日本に帰れなくなっているという驚愕の事実が判明…!

ーーとたくさんあるのだが、それらをすべてスルーし、今回もお題に沿った内容で淡々と綴っていく。

まずフィリピンのローカルエリアでの水浴びとはどのようなものだろうか。(お題はお風呂での過ごし方、とあるが「水浴び」なので過ごすもクソもない、体を洗うのみである。最後に浴槽に浸かったのは大阪・西成区での銭湯のはずで、もう4年以上は経っているはずだ)

家の敷地内に掘ってある井戸や、家々の間にある共用の井戸の水を汲んで、自宅地内のCR(トイレのこと)で水浴び。屋外で、男性はパンツ一丁で、女性は着衣のまま水浴びして、バケツ一杯の水をCRに運んで腰回りなどを洗う、といった場合もある。

以前にも記したが、フィリピンに於いて水供給というものは、上等なものから順に、
・公設のメーター付き上水道を使う
・自前で井戸を掘り、電動揚水ポンプと貯水タンクを設けて蛇口をひねる
・井戸をセメントで固め、人力ポンプ(2000ペソ)を取り付ける
・井戸に竿を下ろして汲み上げる(開放型)
となっている。
台風などで長雨が続くと地下水位が上がり、それにつれ、当然ながら井戸の水位も上がる。すると、地下深部でのフィルター機能が喪われ、周辺の雨水・泥水がそのまま浸入して井戸水が濁ってくる。体を洗わないわけにもいかず、海に近く低地である村の方では「泥水を啜るような生活」といかないまでも、「泥水をかぶるような生活」、ということになる。地獄やな〜。

畑の井戸で水浴びをすることも多い(多かった)のだが、井戸のフタ(ブリキ板)をし忘れたり、敷地内に不法侵入してきた少年らが開けっ放しにしたりすると、夜間のうちに井戸の中へカエルが入ってしまうことがまぁまぁある。それも10センチはある大きなやつである。水汲みの竿桶で掬えばいいのだが、物音がすると水中へ潜ってしまう個体もあり、そうした場合は諦めるしかない。
大蛙の泳ぐ水で水浴びをし、洗濯をするのだが、体なり洗濯物なりがそうした水よりキレイになることはない。(そーだよね)


みなさんは「拾った雑巾」と「拾ったような雑巾」と はどちらがより汚さそうに思うだろうか。何度か声に出したりしてよく考えてほしい。
私は今、「スクウォッターエリア」ではなく、町の人に「スクウォッターエリアでしょ?あそこ」と言われるような集落に住んでいる。そこでは、セメントで封じられ、手動ポンプで汲み出す井戸の水は雨季で水が濁らない限りは沸かさずに飲んでも大丈夫だ、と観念されているようだ。村の中でも外でも山でも毎日のようにゴミが焼却されているが、ここフィリピンでは地下水汚染の問題は存在しない。沸かしたら大丈夫だ、というのは微生物や菌類に対しての話であって、化学物質に関しては蒸発した分、むしろ濃縮されているのでは? と思うのだが、私の考えが間違っているのだろうか。
村に比重を置いて2週間ほど経った。郷に入りては郷に従えという諺どおり、沸かして飲めば大丈夫、といったラインまで自社基準を引き下げて生活している。([HACCP]Have a cup of Coffee, and Pray. 「コーヒーを啜ってあとは祈るだけ」という冗談(自分が生産した食品の安全ことなんか知らないよ)があったがその冗談を一字一句違わず原文のままの行状となっていることに執筆時点で気付く…)

 


日本をドロップアウトしてから5年以上。
井の中の蛙」という一連の語句を諺以外に使う人は、令和の時代になったこの現代日本に一体何人いるのだろうか。

 

 

 

 


 

 

 

 

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[ 2Fに遊びに来た女の子に頼まれて写真を撮った。右の子は中学生になったにも関わらず、いたずら盛りで手を焼いている。遊び半分でサリサリの商品をくすねていくので、商売にならない。いたずらではなく略奪だ。年の近いお兄ちゃんに、家の中の現物を抑えてもらい検挙し、2週間の出禁を喰らわせたが、人事評価制度の存在しないフィリピンでは、一晩寝たら悪行はリセットされるらしく、ケロッとした顔でスマイルをする悪魔のような子だ。私に大小のちょっかいを出してきて、母親や祖母に訴えるも「あらあら、私にもそんな頃があったわね」くらいの温度の微笑みを頂くに留まった。
左の子は以前はウ◯チを投げたりする ひどい いたずらっ子だったが、最近は叔母の商店のホルモンBBQを村内で売り歩く仕事を命じられたようで、忙しいのか いたずらは減少した。私にも毎日のように売りに来るも、買ってあげたいのはやまやまだが、甘すぎたり、臭かったり、グロかったり(鶏のアタマや足先)するので、なかなか買うことができないでいる。一応働いているということなので、たまに1ペソのお菓子をあげている。なお、食品に関しても衛生観念は、(フィリピンでは安定の、)日本でいう未就学児くらいのものとなっており、ネコや犬のウンチのゴロゴロ転がっている砂を手に付けたまま食品を扱っており、その意味でも買うというハードルは高い。買おうとすると、その高いハードルを蹴り倒して進んでいく、といった意味合いになってしまう ]

 

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[ 雨季の初めの大雨で、自宅前が冠水となってしまった女の子。船として遊んでいるのは冷蔵庫のドア。面白いので撮らせてもらった。子供は大雨を苦にせず、外を走り回っているので、全員が足の指の間の皮がふやけ、真っ赤になってしまっている。私も雨上がりの中、市場への往復をすると同じ症状になってしまうようだったので、足を乾かす時間を意識的に取るようにした ]

 

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[ 山下金塊の伝説を信じて掘られた大穴に溜まった水で水浴びをする筆者 ]