スパイス甘茶 in フィリピン

今週のお題「好きなお茶」

 

インドのティーマサラのというのをご存知だろうか。
マサラとは複数の香辛料を粉末にして混ぜ合わせたもので、つまりスパイスを使ったお茶ということになる。なので、日本や中国の、茶葉を使ったお茶とは全く別物だ。

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私の手元にあるEVELEST社のものの原料は画像リンク先から確認できるが、実はパッケージにはブラックペッパーとドライジンジャーが原料欄の先頭にあり、このことからもわかるとおり、あまり飲みやすいものではない。飲んでおいしいと思う日本人は ごく少数だと思う。
もしかしたら、私が生涯食べた中で最も甘いお菓子、インドの激甘ドーナツ*1と一緒に頂くのかもしれない*2

あまり口に合わないので、カレー作りのときに少しずつ混ぜたりして消費していったのではなかったかと思う。
しかし、折角「スパイス茶」というコンセプトを知ったのに、という思いもあって、これを自分の好みの感じに寄せていけないか と考え、いくつもの原料を足したり引いたりして、炊事のあとの薪の残り火で試していった。

すると結局、緑茶(現在は品切れ)と五香粉(もしくはオールスパイス)をベースに陳皮増し、というインドとはほとんど関係のないものに仕上がっていった。砂糖多め、塩少々を入れてもおいしく飲める。

これとは別に、ほんのりカレー味の我流スパイス茶もある。ビン詰めカレーを作り終わった釜に水を足して、フチのこびり付いたのなんかをこそげ落とし、砂糖と塩と陳皮を混ぜる。4時間のカレー作り、お疲れさまでしたー ということで飲んで、フチの油脂の固まったやつも溶け込んでおり、なかなかおいしい。釜もきれいになるので一石二鳥である。

先程から「陳皮」というのが出てきているが、ロックダウンでマニラのチャイナタウンに行けなくなったこともあり、お手製の、半日ほど日晒しにした「みかん皮」であり、みかんの皮を「旧陳させた」陳皮というものとは正確には違う。陳皮とみかん皮は風味は異なるのだが、噛んだときにフレッシュなみかんの香りがパッと広がるので、私はみかん皮の方が好きだ。

ここフィリピンはフルーツ生産国であるとともに、実はフルーツ輸入大国であり、世界各地から届いている。みかんも生産地の旬によるのだろうか、同じような値段ながら年間を通して微妙に品種が違う。少なくとも5つ以上の品種があるが、私が気に入っているのはカレーの聖地の一つカラチからの輸入のものだ。大きめで外皮が柔らかく甘みが強い。実の甘みの強さと皮の香りの良さは比例しているような感じがして、その名の通りKarachiと陳列台に名札が立てられたのを見ると、みかん自体のおいしさもそうだが、上等なみかん皮が出来上がるぞ、と買い込むのである。

このみかん皮、私の作る和・洋・中の料理の大半に使われており、100人が作った冷やしうどん、100人が作ったカレーライス、100人が作った中華ちまきを目隠しをして食べても、その中にある私の作ったそれを当てることができるはずだ。
みかん皮を使うと、料理ってこんなに簡単においしくなるのか、と毎回おかしな感心の仕方をしてしまう。

お題に話を戻すと、最近飲んでいるのは「ヒマワリの種茶」。
ヒマワリの種は、フィリピンではいくつかのメーカーから出ていて、いつもとは違うメーカーのものを買ってみたところ、ちょっと塩気が強すぎた。
ヒマワリの種は、普通は皮を剥いて、中の実だけを食べる。八角やシナモンで味付けされているそれは、中に浸透するくらいの分量を配合されているだけあって、外皮はより一層味が強い。なので私は、時々 外皮ごと食べている。
しかし今回、塩気が強すぎたので、いつもより多めに外皮が残ってしまった。あとで薪と一緒に燃やしてしまおうと平皿にゴミとして取っておいたものを見て、八角やシナモンって五香粉の原料とカブっているなぁ と気付き、要らぬドケチ精神を発揮させて、煮出して飲んでみることにした。お茶っぽい色も出て風味もよい。

また一つ節約術が増えてしまった。

 

*1:Paco Park 近くの Assad Mini Mart にて購入

*2:今 改めて動画なんかを見てみると、ミルクと砂糖を結構入れて飲むのかも。パッケージにはそんなことは書いてなかったけど