最近の「カレー inフィリピン」 Part3

私の地元の、少しはメジャーになってきたのか、「金沢カレー」というのがある。黒めのドロっとしたカレーにトンカツが乗っかたりしているものだ。
これを再現できないかとネットで検索してみた。そのもののレシピは見つからず、再現を試みている記事や動画にあたると、焦がしカラメルだったり、黒ゴマペーストで黒めの色にもっていってるようだ。あと焦がし玉ねぎも多めかな?
黒ゴマは隣の市に行けばあることはあるが極小の小袋で小売りされているだけであり、あれでカレーに色をつけようとするならかなりの量を買い入れないといけない。それに金沢カレーを食べたときにゴマの風味を感じた記憶はない。なので黒ゴマはパス。カラメルも色と一緒に甘みも当然つくはずで、なんだかイメージと違う気がした。ほかに何か黒色を着ける食材はないかと思案したところ、小豆で餡を作ったときに、黒豆を少し混ぜて炊いたときのことを思い出した。あのときの煮汁はかなり黒寄りの色をしていたはずだ。(因みに、渋切りといってその煮汁は二回ほど捨てるのだが、アントシアニンだか何だがが含まれるというので飲むことにしている。すぐに牛乳と混ぜて、暑いなかだがほどほどのホットでおいしい。フィリピンの牛乳は甘いので割ると丁度いい甘さになる)

6/9 pm8

最初に黒豆を炊いて、その煮汁を混ぜ込んでできたのがこのフィリピン金沢カレー
トンカツも(たぶん)人生初めて揚げた。悪くない出来である。
ついでに白状すると、その上にかけられているソースは私お手製のものではなく、市販のものである。隣りの市のショッピングモールで普通に売られていたのを先々月だか発見した。今まで10回近くそこには行っていたのに一体何を見ていたのだろう? 広大な売り場を毎回隈なく歩き回り、商品知識ならそこら辺でヘラヘラ談笑している店員より豊富に持っていると自負していたのだが…。
見つけたときはたいそう驚いてしまい、帰って味をみても日本のものと遜色ない感じで再び驚いた。値段も小瓶で30ペソ弱で決して高くない。私のものはフルーツ感と酸味はあるのだが、熟成の行程を経てないせいか喉元をグッと掴む刺激が足りない。見れば買ったウスターソースの原料には「カレーパウダー」が含まれている。カレーパウダーの入ったソースをカレーの上にかける…。
カツカレーの方だが、食べてみると もちろんうまい。玉ねぎ多めがよかったのか、とにかくおいしい。カツの方も、肉がいい。ロースカツと上ロースカツがあるとすると間違いなく上ロースカツの方だ。赤身は柔らかく、脂身はジューシー。

写真には写ってないが黒豆はご飯に混ぜ込んで一緒に炊飯してある。
肝心の色の方だが、これだけで見るとあまり黒くなっていないように見えるが、私の他のカレーの写真と見比べると幾分濃くなっているのがわかる。

金沢カレーの特徴のひとつはアルミのお皿に盛られてること。私は持っていないため、フライパンの蓋で代用。その径38センチ。せっかくのカツカレーがすっかり小さく見える。
定番のキャベツも添えた。その上にかかっているのは「マヨマジック」というマヨネーズもどき。「リアルマヨネーズ」と銘打たれている本物の半分の値段だ。原料はスターチや酸味料や砂糖など。さらにその三分の一の低価格で別のマヨネーズコピー製品も出回っている。マヨネーズの甘酸っぱい味はするものの添加物だらけで甘めの安っぽい味。一度だけ買ってやめておいた。

食べたあと、なんか忘れているなーと思ってネットで再び見ていたら、食べるのに使うのはスプーンでなくフォーク…。
近いうちに再トライだ。福神漬けもあってもいいかな。(6月9日)

 

 


 

 

6/10

トンカツを作るのに使った卵液を、昨晩のうちに砂糖を入れて薄焼き卵にしておき、カレーとご飯は再加熱して翌朝はやさたまカレーでいただいた。やさたまとは卵のなかに玉ねぎと人参のみじん切りでも入っているのだろうか? 何度か食べたことがあるのに覚えがない…。

ご飯のなかに黒豆が混ざっているのが見える。
卵が甘くてやさしい味。(6月10日)

 

 


 

 

6/10 pm1

日本における「定食」のポジションに当たるのか、フィリピンの多くの食堂では「バジェットミール」といって2つのおかずをワンプレートで提供する方式をとっている(もちろん単品でも注文できる)。基本は野菜+肉だが、野菜+野菜や肉+肉といった注文も異なる値段で受けてもらえる。

今回はカレー粉に加え前述の市販品ウスターソースもかけてみる。酸っぱさが加わりご飯がどんどん進む。ちなみにジュースの方は持参。
フィリピンでは食事のお供にコーラやスプライトなどの炭酸ジュースを飲むことがほぼスタンダードである。大人も子供もお年寄りも。前述のバジェットミールも炭酸飲料がついていることが多く、単品で頼むと12ペソくらいのジュースが5ペソ相当で飲める。私は大汗をかいていないかぎり、大体の場合断って5ペソ引いてもらう。(6月10日)

 

 


 

 

6/13 am8

今回もご飯とハンバーグを持ち込み。ご飯の方はさつま芋とコーンも一緒に炊き込んだもの。
行きつけの食堂はテントマーケットの曜日だけ、黒豆煮も作るのでいつもの緑豆煮とハーフ&ハーフで注文するのが毎回のこととなっている。む、これで「合いがけカレー」にできるぞ、と思いきや、これをぶっかけるとぐちゃぐちゃになってしまう。一応黒豆と緑豆を別に食べたいのでまたも見送り…。
この食堂の緑豆煮には豚肉が入っており、しかもその肉が大きめで柔らかい部位である。緑豆煮はいつも7時半くらいには売り切れてしまう。

ソースの瓶の左に見えるのはカレーパウダーを入れている容器。大阪西成で拾った麦焼酎のを再利用している。ここフィリピンではプラスチック容器で気密性のあるものはお目にかかれない…。この麦焼酎のはそこそこの気密性を持っているので重宝している。3本あるが機会があれば増強したい。

頂いたマサラチャイパウダーを豚骨のスープに入れてみた。シナモンとカルダモンの香りでおいしー!(6月13日)

 

 


 

 

6/14

胡椒を抜いたマサラチャイを自分で作ってみることに。カルダモンを半粒、生姜を少し、シナモン、クローブ。甘草も持っているので加え、飲みやすくするためにさらにハチミツも少し垂らす。
前回のパウダーのよりはおいしいかな。ただ、カルダモンをこれに使うのはもったいない。(6月14日)

 

 


 

 

前回の投稿で紹介したフィリピン人の友達は、私の隣りの村にも土地を借りており(とりあえず一年の契約らしい)、そこに掘っ立て小屋のようなものを自力で建て、小さなワンルームに入り切らない物をそこへ置いて隣りの市に出ていった。日本では現場の仕事に従事していたそうだ。
さて雨季に入り、私はそこが冠水してしまうエリアだと知っていたので(いろいろな所を歩き回っている)、異変はないかと見に行ったら、冠水はないものの壁の板が一枚外れている。泥棒でも入ったらと、写真を撮って異常を知らせたら、そのままそっちで補修してくれないかとのこと。
日を改めハンマーと釘を持って再訪し念のため中も見ると、荷物の一部に雨水がかかっている。ツギハギの屋根に一部甘いところがあったようで、ちょうど調味料が置いてある机に雨の跡。その調味料の中にカレーパウダーがあり、それにも雨がかかったようだ。このまま雨季のなかに放置しておくと雨が当たらなくてもカビになるのは目に見えており、交渉して引き取ることに成功。ついでに玄米茶も貰う。

6/14

机を少しずらし 壁の補修をして帰宅。検品すると一つはダメになっていたけれどあとのは外装までで中身は異常なし。手持ちのカレーパウダーが増えてきたぞ〜。(6月14日)
Nirapara社
Eastern社

 

 


 

 

掘っ立て小屋で手に入れたカレーパウダーを検食。原材料に塩も含まれているため、味を見ながら塩を足す。
日本ではアジア食材店などでしか手に入らないレモングラスも、フィリピンでは民家の庭先に植わっていたりする。大家さんの買った土地にも一株あったので、2、3本ちぎってきた。

6/16

ココナッツミルクパウダー(28ペソ/50グラム)も加え、今回はタイ風カレー。カレーパウダーに問題はなく、おいしくできあがった。

瓶詰めも再チャレンジ。熱いうちに、蓋の近くまで空気を抜きながら詰めた。(6/16)

 

 


 

 

 畑でキノコがたくさん取れたのでご飯といっしょに蒸し焼きにしてカレーに添えた。

6/17

6/22

柄の部分はエノキ茸の半分くらいのシャキシャキ感がある。炒めて調理するとどこにいったかわからなくなるが、蒸し焼きだと形が残る。カレーにはさすがに香りは負けるが、ご飯と食べるとちゃんと椎茸の味がする。(6月17日)

 

 


 

 

久しぶりにドライカレーを作って行商した。試験的に、前日に炒めて自家製ウスターソースに浸けておいた挽肉を使用。味は変質していないが、やはり通常のものより旨味や食感がやや劣るか。

6/20

市場だけでは売れ残るので、近くの小学校へも行っている。今回は小学校でも鍋底がまだ見えないくらい売れ残ってしまった。まぁ、なんとか食べ切れる量なので、夕方の村には行かず、夕食で自家消費とすることに。

6/20

冷めててもなかなかおいしい。ただ、利益が100ペソに届かない…。(6月20日)

 

 


 

 

市場で「ほんだし」のような顆粒状のものが小分けで売られていたので、これは何かと訊いたところ、イーストとの答えが返ってきた…。そんなものまで売っていたとは。
数日後、ネットを徘徊しているとナンの作り方があり、あとはドライイーストがあれば材料が揃ってしまうことを知る。これは一度作ってみねば、と購入を決める。カレーの裾野は広い。
親指のあたまくらいの小袋で5ペソ。 
6/23

今回の新顔はマスタードシード。それにマンゴスチンのジュースの素も入れる。これは既に生産中止になっており今では入手不能の代物である(「リアルフルーツジュース」と銘打ったのが却って仇になったのではないか勝手に想像している。マンゴスチンは果物で一番高価なのだ)。私は20包ほど買い占めをしておいたのでストックはまだ豊富にある。

ココナッツパウダーも入れてカレーの方は完成。レギュラーのリンゴ・バナナ・レーズンも相まってフルーティ〜!

6/21

ナンもレシピを見ながら捏ねて作っていく。常夏の常温で発酵は順調。一枚目は焦げ付いてしまったが、二枚目は写真のようなまぁまぁの仕上がり。

6/21

6/21

まずはカレーに付けずにそのまま食べる。砂糖・塩・焦げの風味がおいしい。食感は日本で食べていたものと比べれば開きはあるが、それでもいつものご飯とは変わって良い感じ。
変化をつけるのに たまにナンを焼いてカレーを食べるのもいいな、となる。(6月21日)

 

 


 

 

6/22 am8

行きつけの食堂でようやく「合いがけカレー」が実現。自作のフルーツカレーと食堂の即席ムングカレーの合いがけ。
持参の黒目豆入りライスに、オリジナル開発の糖漬けピヤスも添えていただきまーーす。(6月22日)

 

 


 

 

隣りの市の市場に買い出しに行ったところ、なんとバスマティ米が売られていた。半キロ80ペソと普通の米と比べるとべらぼうに高いが、バギオでも見たことはなく、なぜこんな地方都市で売られているのかはわからないが、一度試さないわけにはいかない。ちなみにいつも利用している中韓系の食材やバギオ野菜を扱っている商店にて。最近カルダモンも扱いだした。

6/26

フィリピンで売られている普通のインディカ米と並べてみると長粒種であるそれよりさらに長いことがわかる。そこはビリヤニライスだろう、とツッコミが入るかもしれないが、いつもの感じと比べてどうかなと、作り置きしてあった瓶カレーにて試すことに。

6/26

これもまずライスだけで口にしてみると、本当に一瞬だけれど、あれ?麺を食べているんだっけ?といったツルッとした舌あたり。その後は長粒種と同じ。味の方も一瞬だけちょっといつもより変わった風味。香りがあっておいしいとのことだったが、その後は普通のお米の味。
トッピングはコリアンダーサフラン、だったらいいのだけど、残念、普通に紅花(6月26日)