フィリピンで自立!?

 
二年前『撤退戦?それとも』にてご紹介したようにフィリピンで生活していくのも選択肢の一つにしてみてはと大風呂敷を広げたブログ主。
さてその当人は、麻薬戦争真っ只中 そうじゃなくても修羅の国フィリピンにおいて 今日まで生活できていたのか、それとも尻尾を巻いて失意の帰国となったのか…?
 
 
安心してください、住んでますよ。
 
 
といったあたりで私のテレビ体験は止まっているのですが、おかげさまで累計二年半ほどフィリピンに滞在しております。 ブログの更新頻度が低いのは、ハンバーガーを作ったり、子供と遊んだり、畑を耕したり、小学校でタガログ語を勉強したり、浜に漂着する薪を拾ったり、まぁまぁ忙しくしていたせいで、仕様です。 ちなみに日本には一年前ショッピングのために訪れ、二週間ほど大阪で野宿とかしてました。お金もかかるので、隔年くらいでと考えています。
 
 
それでは、果たして私はフィリピンで「自立」できているのか、実際の収支を見ていくことで確かめていきましょう。
二年前、生活費を9000ペソ/月ということで試算をしてみたわけですが本当にその通りになっているのでしょうか?
 

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【 その部分を抜き出して再掲しておきます 】
食事: 5,000P/月、 1食50P → 1日150P→ 1月4,500P。これに、たまの贅沢用として500Pを加算してみました
フルーツ: 1,000P/月、 1日30P → 1月900P → キリよく1,000Pとしました。外食が基本になるかもしれませんがそれだと野菜不足になるのでフルーツを食べましょう。いろんなのがあってどれもおいしいですよ
ベッドスペース: 1,500〜3,000P/月、文字通りベッドだけが自分の陣地の共同部屋。一人部屋の「ROOM」は3,000P前後。今回は1,500Pで計算しました。女性オンリーで募集しているところもたくさん見かけます
ネット:1,500P/月、インターネットカフェにて15P/1hで利用できます。多めに3〜4時間、1日平均で50P支出したとして、その30日分が1,500Pになります。都市部なら街のいたる所にネット店はありますが、子供が大騒ぎしているか店員が爆音で音楽をかけている所が9割なので 静かなお店を見つけるまでが一苦労です
計9,000P/月
【 引用ここまで 】
 
 
毎日家計簿代わりに簡単な日記をつけておりますので、8月分のそれを例にとってみていこうと思います。ささやかな食べ物屋(行商スタイル)もやっているのでその分も一緒に勘定していきます。
支出の部
・食費  4220ペソ ( 食べ物屋の原材料費などを含む )
・住居費 2000ペソ ( 水道/光熱費を含む )
・ネット代 633ペソ ( ≒ 20.4ペソ/日 )
・その他  887ペソ ( 隣市やバギオへの交通費/工具代/肥料代など )
   合計7740ペソ
 
収入の部
・中華ちまきの調理及び販売  1416ペソ (売上金ベース)
・子供へのお菓子や果物の販売  122ペソ (売上金ベース)
・村のゴミ収集作業の報酬    150ペソ
   合計1688ペソ
 
   総計6052ペソ
 

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ということで、試算の9000ペソを大きく下回っているという結果が得られました。当面は安泰のようです。
しかし支出の分だけを見ても9000ペソより安くあがっているのですがそれはどうしてでしょうか。
一食50ペソとして計算していましたが、それはマニラ首都圏で肉料理を食べ続けた場合で、私は肉料理をお店で頼むことは週に一回か二回だけ。しかも田舎なので、30から45ペソです。野菜のおかずなら25〜30ペソ(いずれもご飯一杯を付けた価格)。 自炊率も高いので安くなっています。スナックは25g入りの小袋が5ペソなのでそれを一日二袋くらい食べています。生水は飲んではいけないようなので水も買わなければなりません。数リットル5〜10ペソのようですが、現在居住している宅の向かいの水屋さんが何のご好意かずっと無料にしてくれて、かなり助かっています。さすがに悪いので二回に一回は隣市でしか手に入らないおすすめのお菓子とかを持参しています。
フルーツは少し傷のいったバナナが5本くらいで10ペソ、リンゴもネズミとシェアの小さなやつなら二個10ペソとなっております。これで一日は保ちますね。
住居費については、大家さんの離れみたいなのを借りているわけですが水道/光熱費を含めたものなのでこんなものでしょう。地元の人に訊くととても高いと驚かれますが、マニラの人に訊くと安いと言われます。首都圏と地方の物価差がうかがわれますね。
ネット費については私の所では12ペソ/時で利用できる店もあるのでそこも利用しています。エアコンが無く扇風機だけなので暑く、子供が多いのでしばしば騒がしいですが。ちなみにこれはスモーキーマウンテンでも有名になった首都圏の最貧地区トンドと同じ価格帯です…。長時間 動画を観たり日本語を読んだりしていると、退出したときにここがどこだか分からなくなる感覚に襲われますので私はほどほどにしておりますデス…。というわけでこの項も試算より安めに。 あと、フィリピンのネットは遅くて高いといった情報をよく目にしますが何のことをいっているのか普通にわかりません。コンドミニマムの内外で次元断層でもできているのでしょうか? まぁ、停電はよくありますが。
項目に入ったのは8月中に購入した物のみなので、雨期入りしたときに買った携行サイズのガスタンクは含まれておりません。200ペソちょっとだったかな? 薪炊きを合わせながらこれで3ヶ月は保ちます。
 
 

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ではでは、収入だけ見たときに それは自立しているといえるのでしょうか? この点も検証しましょう。フルタイムで働くとなるとそれは日本に居たころと同じになってしまいますので、仕事は時々することにしています。
毎週日曜にちまきを作っているのですが、高原都市バギオでヤングコーンとジャガイモを安く仕入れられたため、というか仕入れすぎたため8月はプラス一回の五回の販売となりました。原価が150ペソくらいで売価計が300ペソくらい、なので一回の利益は150ペソほど。
これの他に自分の昼食と夕食の賄いの分も確保できますが、利益としてはどうなのでしょうか。実はこの料理、包みと蒸しの工程が入っているために、売り歩く分も含めると5時間かかっているのです。時給に換算すると30ペソ…。え〜と日本円だと60円ちょっとですね。タイプミスではありませんよ六十円です。…寝てた方がマシですかね? 
まぁここはフィリピンなので現地の時給と比べてみましょう。一応法律はあるのですが例によって必ずしも守られておらず、地元の人に聞いた話ですが、地方の食堂の女給さんとかは200ペソとかだそうです。賄いや売れ残りの持ち帰りはあるようですが。これをひとまず240ペソ8時間労働とすると、同じ時給30ペソになりますね…。ワタシの時給はフィリピンローカルの法定破りの労働環境のものと同じということがわかりました。 自立になっているかどうかはみなさんの判断にお任せします…。

   

さて、昨今フィリピンで大きなニュースになっているのはインフレです。なんでもASEAN諸国で一番のインフレ率だとか。実際ここ数ヶ月で食堂のおかずが5ペソ値上げ、スナック菓子も店によっては 5ペソだったのが5.5ペソや6ペソになりました。 最近二週間マニラに滞在していたのですが、ローカルに戻ってみると安さが売りのフィリピン式焼きそばが10ペソから15ペソに軒並み値上げになっていたのには驚きました。
インフレは手持ちのお金の価値が低くなっていくことなのであまりに過度になると見通しの前提がおかしくなってきます。二年前のエントリーではインフレについては全く考えに入れていませんでした…。為替とも合わせて個人の力でどうすることもできません。
しかしここで特別リタイアメントビサ保持者にしかできない奥の手があります。 それは…『 解 約 』。
持っているビサを取り消して預託金を返してもらうことができるのです。そのお金によって私の場合、十年強はいけるかと見込んでいます。観光ビサにダウングレードと当然なるわけですが、そうなっても最長3年間滞在でき、一度出国すればこれを繰り返すことが可能です。パスポートは期限が切れると返納となりますが、消印を押してもらって手元に持っておきましょう。フィリピン入国の際には、空港の検査官に元ロングステイヤーだったんだーと特別リタイアメントビサのステッカーを見せて説明すれば、多分スムーズにパスできるでしょう。出入国を繰り返していると運び屋かと疑われるのです。
なお、預託金にはちゃんと利子が付くそうです。とある銀行では普通預金で0.25%とのことなので、それに準ずる感じでしょうか。
 

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以上、フィリピンの地に於いて「自立」できているか検証してきました。日常的に接する日本人のいない中、まぁまぁ健闘している方だと思います。 みなさんもトライしてみては?  フィリピンはぐだぐだの自由な国です。
 
なお勝手にタイアップ企画として「選べない体験ギフト/カタログFILIPIN」として抽選で一名様にフィリピン(バスで4時間)田舎暮らし3日間をお贈りします。ただし海外旅行をしたことのない方に限ります。渡航に係る一切の費用は含まれません。3キロ程度歩ける健康な方、ご応募お待ちしています。