最近の「カレー inフィリピン」 Part2

6/2 タイランド?カレー

6/2

隣の大きな市に住んでいるフィリピン人の友人宅にカレーを作りに行った。というと少し語弊があるか、代わりにパソコンでネットを数時間、一泊もさせてもらいに行った。バーター取引である。近くのショッピングモール(先日のノートの所)に夕方買い物に行ったが、レジが大行列。夕食の時間が大きく遅れてしまった。ホールスパイスは自宅から小詰めにしたのを持参、挽肉はモールで、野菜は市場で買った、といいたいが、野菜のうち人参とじゃが芋と茄子は、店じまいしていく正午過ぎのその市のテントマーケットの下で拾ったものである。なぜまだ食べられる物を捨てるのか。しかしそのうち茄子は中が虫になっており、「ちょっと拾った所に文句言ってくる」と、とある漫画のような展開になってしまった。
小麦粉を失念したので宅の棚にあった押麦をとろみ付けの代用になるかどうかわからなかったが気休めとして入れてみた。レーズンも忘れ、代わりに葡萄。挽肉をもう少しだけ焦がしめに仕上げればよかったのを除き、まぁ満足の出来、友人も「オイシーナ、コレ」と言ってくれた。そう、この人物は日本語が話せるのだ。三年前、首都圏パサイ市を商用で訪れていたこの友人に、当時滞在していたベッドスペース(今もマニラに滞在のときは利用)の隣の家の男性を介して知り合い、ローカルの生活を見ておくのもいいか、と誘いに乗って車で5時間ほどかかる現在居住のエリアに連れ出してもらったのだ。一週間ほど滞在の予定が、漁村と市場がすっかり気に入ってしまい、居着いてもう三年を超える…。胡散臭い部分もあるが今もこうして時折付き合いがある。彼は公務員をしていた時期もあり、顔は広いのだが、敵も多く、小さな借金も方方に拵えて、逃げるように転居を三度繰り返し、その度に私のもと居た町から離れていって、今は隣の市の小さな小さなワンルームマンションに小学6年の息子と住んでいる。それぞれの住居は金の潤沢な友人からタダで借りており、そういった面からみればスゴイことだ。

パキスタンからのカレー

インドからのカレー

中東帰りの知人でもいるのか、カレーmixが3箱あり、以前1箱貰ったことがあるので、またお礼として貰えないかと交渉したがダメとのこと…。今後の勉強として、箱の原材料と作り方の部分を撮影だけした。(6月2日)

Mehran社
Shan社
National社

 


 

 

 

6/3 焼き茄子カレー

先日からのイワシ缶カレーにナスを焼いてセロリ葉とともにトッピングしてみた。スライスが薄すぎると焦げてひっついてしまうみたい。焦げること自体は悪くなく、色も香りも食欲をそそる。油を敷かないのがコツ。油を吸ったナスもおいしいけどね。(6月3日)

 

 


 

 

6/00

市場からの帰りに、そのすぐ近くに住むフィリピーナのご婦人に呼び止められた。私は以前、その住居の一階部分の一部屋を借り、3ヶ月ほど住んでいたことがあるのだ。妹が日本で結婚しており、まぁまぁの親日派である。ちょっと待っててと言って戻ってくると何やら袋を手にしている。渡されて、見るとなんとインドやパキスタン製のカレーミックスがいくつも入っている。マサラチャイのパウダーも。知人から貰ったが使わないということか、あげるとのこと。私、声を上げて感激し、ガッチリ握手。
日本のものも入っている。こちらは妹さんからか。…確かに使い方はわからないだろう。半分ほどのものは消費期限が少し切れているが、未開封なので大きな問題はない。

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また、きな粉についてはお好み焼きに混ぜて焼くと香ばしさがプラスされることからフィリピンでも手に入れたいな、と前々から思っていたところである。
ツイてるなー、とゴキゲンで帰宅。(6月6日)

 

 


 

 

 イワシ缶カレーもなかなかおいしいな、と数回食べたのだが、よく考えれば生のイワシを買って調理することもできるはずだ。豚肉は230ペソ/kg、イワシは安い時を狙えば80ペソ/kgなので、およそ三分の一の値段だ。頭と腹ワタを除くので正確にはそれより若干高くなるが、それでも豚肉よりかなり安いことに変わりはない。これは試さない手はないと早速試作してみた。人参が高値で推移しており、代わりに大根を投入。魚と併せ、気持ち和風寄りになるかどうか。

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さらに同時に、一度試さねばと思っていた「カレーの瓶詰め」もトライ。果たして日持ちはするのか。これが通れば、「安く、おいしく、ヘルシーなカレー」が いつでも簡単に食べられる、ということになる。
イワシを二枚におろして骨を少しでも食べやすくならないかと始めに揚げ焼きにする。他の具材も火にかけて調理を始めるが、大根の煮時間と、その内部から水が出るのか逆に吸うのかが頭の中で考えてみてもわからない。具体的には、人参をいつも入れているようなタイミングの先に入れるのか後に入れるのか。ちょっと古めのものを買ったので、鬆(す)が入っているなら吸うことになるし、新しいなら水分が湛えられている気もする。鮮度によるのかなぁ? 同様に鬆が入っているのなら煮時間を増やさなければいけないだろう。答えの出ないまま調理を終え(つまり間をとって人参と同じようなタイミングで入れ、同じような時間煮込む)、食べてみるとやっぱり大根は思ったのよりやや固め。しかしイワシはおいしくフルーツも入っているので、総じて味は及第点。

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鬆が入っているなら放置すれば旨味と水分を吸っておいしくなるのでは、と期待し瓶の蓋を閉める。(6月6日)

 

 


 

 

封をしてから20時間ほどが経過。夏場で常温での保存はキケンとの話もあるのでまずは一日未満から検食することに。まぁ温めて食べる方がおいしいだろうと、再加熱の方法を検討。湯煎の線からさらに手軽にと、瓶の蓋を外し炊飯の終盤で釜に入れることを思いついた。瓶の外側を軽く洗ったうえで、釜の飯の上に立てる。

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10分ほど蒸らし、タオルを使って取り出してサーブ。下の写真のサイドにあるのは蜜柑の皮の乾かしてを刻んだものとチアシードと砂糖と塩を入れたジュース。チアシードは日本のダイソーで買ったもの。蜜柑の皮には確か油分があって、使う前にさらに細かくハサミで切るのだが、その時にふわっと柑橘類の香りが漂う。
昨年にチャイナタウンで陳皮を買い入れたが、雨季の終わり頃にカビが生えて全部ダメにしてしまった。調べてみると陳皮は温州ミカンの皮を干して陳旧したもの、とあったのでそれならと南国の強い陽射しで自作すると遜色のないものができあがった。以来そうやって作って使っている。インターネットバンザイ。

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味の方は問題ない(注:味は大丈夫でも中ることがあるそう)。むしろ期待通り大根に味がなじむとともに、口当たりも柔らかくなっている。そして昨日食べたときは気が付かなかったが魚がゴロゴロ入っている…。それもそのはず、いつも豚の挽肉を40ペソ分買うことが多いのだが、その40ペソでイワシを買ったのだから単純に計算すると3倍近い魚肉が入っていることになる。

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途中で、糖ピヤスを添えるんだったと思い出しスライス。これもさっぱりとフルーティな香り、日本でいうと梅がいちばん近いかな。瓶詰めカレーをおいしく完食。(6月7日)

 

 


 

 

 同じ日の夕食も瓶詰めカレーを検食。封をしてから25時間が経過している。

6/7 pm7

まぁ、まだ大丈夫だろうと二瓶目を開けるとうっすらとカビが生えている…。しかしこの白カビは自作のトマトソースにおいても開栓後に一日ほどすると生えてくるもので、食べて大して害のないことを確認している(もちろんお客さんには出さない)。
瓶の口の茶色の汚れは蓋の錆の跡。塩分で蓋が錆びてきており、カビと併せそっちの方も考えなければならない。

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白カビをもろともせず完食。きみはこの先生きのこるry

冗談はさておき、現状では一日程度が限界ということか。しかし、初回ということもあって瓶詰めの際に内容物の中に空気が入ってしまったり、上部に満タンでなく空間ができてしまったり、火からおろして少し時間が経ってしまったり、と改善する点はいくつかあるので、瓶詰めカレーはまだ緒に就いたばかり。また近いうちにトライしよう、となる。
それから、肝心の味の方だが魚臭さが抜け、肉のようになっていた。 (6月7日)

 

 


 

 

さらに翌朝も瓶の残り半分を食べる。なんだかふかふかした食感で、おいしい肉まんかマイルドなカレーまんを食べているよう。

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マサラチャイの方も試してみることに。これを「お茶」の括りにしていいのかわかりかねるが、カルダモンなどのスパイスはいいとしても、胡椒が入っている…。日本人にとってはややハードルが高いか。ミルクを入れて飲むのが普通なのだろうか? 情報の収集を要する。(6月8日)

 

 


 

 

瓶のカレーが微妙に余ってしまい、市場での昼食に持っていくことに。ライスも持参かな。緑豆(ムングビーンズ)の煮たもののみ注文。スープは無料でつく。
豆のカレーもダルという名でインドなどではよく食べられていると,いう情報を得ており、カレー粉をかけてみる。ついでにマサラチャイ粉も。いつも食べている料理があっという間にダルに…!
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辛すぎず、甘すぎず、うんめぇなぁ、これ。 今度から毎回これだ。(6月8日)

 

 


 

 

翌日も市場外周の別の食堂でムングカレー。今回は昨夕に作って食べきれなかったハンバーグを持ち込んだ。「合いがけカレー」を狙ってみたのだが、考えたら片方はただのハンバーグ、せいぜい「合いのせカレー」といったところか。

ところでハンバーグがなんだかピンク色っぽいのがわかるだろうか。よく利用している精肉店で買ったものなのだが、血か着色料か混ぜものがしてあるのか、焼いても色があまり変わらない…。またピンク肉かぁとなる。おかしな味はしないが、あまり気持ちのいいものではないので挽肉だけは別の店で買うことにした。娘さんだけで店番をしているときに挽肉を買おうかどうしようかと思案していると、向かいのブースの店を指し、あっちの方がいいというようなことを言われ、向かいで挽肉を買った。肉屋の娘が肉のことをわからないわけがない。やはり鮮度や品質を誤魔化すために何か混ぜものをしているようだ。

6/9 am8
さて今回の食堂は、私が市場で食事をする際のファーストチョイスの店。理由はスープが他よりずば抜けておいしいから。マニラでも当地でも新しく見つけた食堂には極力入るようにしているのだが、ここよりおいしいスープは今のところ無いし、これからもおそらく出ないだろう。パウダー状の日本茶を溶かし込んでお茶漬け風にしてもおいしい。
豚骨から出汁をとっているか、時々カップの底にホロホロになった豚の端肉が沈んでいる。味は、これに煮干しだけ足せば寿がきやのラーメンになるくらいおいしい。ただ、日によって味がいまひとつなこともあるのだが、先日その理由が判明した。スープがなかなか来ないので調理場の方に貰いに行ったら(手を洗ったりして客の出入りは自由(!))、草履をくれた件のおばちゃんに待っててと言われ、塩を二掴み半、スープの入っている大鍋に入れているところ。もちろん塩だけがこれだけ大量に足されることはないので、水も同じ分入れられたはずだ。つまり早朝にできあがったスープを、8時になった今 塩水で延ばしている。もちろんその分、肉の旨味は薄くなるのだから、味に差が出てくるのは当然だ。他にも浮きみはセロリかネギが入るのだがこれも朝から用意した分だけ。入っていると一層おいしいのだが遅く行くとありつけない。
どこまでも我道を行くフィリピンスタイルである。 (6月9日)