フィリピンの外国人就労許可(AEP)を取るまでのステップ (愚行) 【2017年<体当たり>地方編】

(※開業する時期や自治体によって要件が違いますので実際の窓口で現行の状況を確認してください。現にここに書かれていること(2017年)は既に陳腐化しておりますので単に読み物としてお読みください)

PRA(フィリピン退職者庁) のパンフレットなどに拠れば、マニラ首都圏においてはPRAがAEPの取得をサポートしますとありますが残念ながら私が落ちついた先はマニラからバスで4時間以上かかる片田舎。まぁあの面々にサポートされたからといって、迅速さや確実性が増すようには思いませんが(前回のエントリ参照) 。
それでは早速、フィリピンローカルでいかにしてAEPを取得できるか順を追ってみていきましょう。
ちなみにここではスモールビジネスでの開業を目指します。現地の人を複数雇うとか大きな資本を投入するとかの場合は除きます。そうした場合は他所様のサイトを参考にしてください。


1.ボイスレコーダーなどを用意
これが地方編の最初にして最大のポイントです。こうであることが既にこのトピックの先行きを暗示しているようですが…。携帯やスマホに機能がついている思うのでそれでOKです。

2.ビジネスパートナーを探す
自営業の開業にあたってはdtiというところに行って開業の手続が必要です。この「社長」ですが、フィリピンに於いては外国人が社長になることは法的に許されていません。フィリピン人の友達に書類上の社長になってくれるよう頼みましょう。自分が従業員ということで問題はありません。
ここでの注意点ですが、「日本語を解する」、「あちらから声を掛けてきた(紹介を含む)」といった人物ですと遅かれ早かれトラブりますのでできれば避けましょう。具体的にいうと金を貸してくれとかそのために嘘をついてくるとか。日本語でやりとりできる割増料金だと思えばそんなものかもしれませんが。貸した金は返ってくることはまずありませんので あげても後悔しない金額を考えておきましょう。

3.DOLEへ向かう
ビジネスパートナーとAEPの発給をしているDOLE(労働者疔)という所へ出向きます。これはdtiと同様に地方ごとにその中核都市にあるはずです。私が訪ねたオフィスではその廊下にこの国にしては珍しく取得までの20ほどのプロセスが大きな横断ポスターによって明示され、更にそれらにかかる時間・日数まで詳細に示されていました。ただひとつ、新聞による公示の期間の欄を除いて…。 ここで「アレ?」と思わなかったら下調べが足りていません。新聞の公示とは、当該の外国人が職に就くにあたって、その仕事私でもできるよというフィリピン人が異議申立の手を挙げたときに申請した外国人に許可が下りないという、国内雇用を守るためのこのAEPの制度の肝とも思われる部分です。その「1ヶ月」と入るべき公示期間が空欄になっている…。私はある予感を抱きながらパートナーのフィリピーナとオフィスへ入ります。眼鏡をかけた肥えたご婦人に対応いただきましたが私は口を挟まないようにしてこちらのピーナちゃんのお手並み拝見といきます。事前にAEPの仕組みの概要を説明しておいたのですが、その結果…なぜか観光庁に行くことに。ダメだこりゃ。AEPの許可はDOLEが出すはずで観光庁は全く関係ありません。まぁどうなるか面白いので抗弁は軽めにして行くことにしました。
幹線沿いのそこまでトライセクルに15分ほど揺られ到着。SRRVの査証を見せたりしますがもちろん先方はSRRVやAEPのことはわかりません。イミグレへ行ってSRRVの確認をしてきてといったようなアドバイスを頂いたようで、また移動です。いや、その適正にビサを受けているという証拠がこのスタンプなんですが…、一体何の確認に行くのか全くもって不明です。またも15分ほどかけて半島部にあるイミグレへ。これじゃ市内一周になっちゃうよ…。オフィスへお邪魔しますが当然何の進展もありません。「何の成果も得られませんでした」という大きな成果を引っ提げてDOLEに凱旋です。再び担当者に会い結果を伝えると…いくつかの書類を渡されます。…あるじゃねーかw
なんでしょう、外へ出されたのは関係各所へ問い合わせるための時間稼ぎだったのでしょうか? フィリピンでは自分の業務内容すら充分に把握していないことが往々にしてあるのです。まぁ日本人が片田舎へやってきて仕事を始めたいなど言い出すことなど今までほとんど無かったのでしょう。ともかく書類一式を受け取り、そこに書かれた要件を揃えることとします。

4.書類の作成と提出
いちばん手間、というか自分で作成しなければならないのはフィリピン人への技術継承プログラムです。AEPが発給されるのは自国に無い専門技術を持った人物だけで、しかもその技術を二人以上のフィリピン人に継承させる必要があるとのこと。1年ごと、最長3年までということですが、あくまでトレーナーとしての雇用であり技術の継承が完了したらそれ以降の延長はできません。雛形が貰えますのでそれを下敷きにケテトーな英語を並べました。再び相棒のピーナちゃんとDOLEへ出向きます。今回は日本料理が私のスペシャリティということにして申請するのでそのいくつかの写真とともに作った書類を提出します。担当者は眼鏡をかけた肥えた婦人ですが似たようなご婦人がもう二人ほど居ますので前回と同一人物か見分けがつきません。さてその担当者氏、書類をざっと一読したかと思うと、I'll not check.と宣いました。
え…? いま何と? 私はチェックしない?
これで充分だから勝手にやってくれというのです。
いや、申請料の9000ペソを払うから審査してくれと食い下がりますがその必要はないと取り合ってくれません。
…みなさん、ボイスレコーダーはONになっておりましたでしょうか? 残念なことにこの国では公機関がその機能を放棄しているようです。あとでゴタゴタが起き、ご発言を翻されて こんな外国人会ってないとかなると違法就労で拘束される可能性が残るので護身のために会話は抑えておきましょう。

以上がフィリピンローカルでの外国人労働許可の取り方となります。

あとは地元の役場へ行って市の開業許可(一年更新、費用は数百から数千ペソ。税金のような感じ)をもらえば完了です。私のところの役場は必ずしもAEPは書面で要求しておらずDOLEがいいならいいよとなりました。


徹頭徹尾のお役所仕事。日本では杓子定規のやっつけ仕事辺りを指すのでしょうが、こちらの国ではグダグダ投げやりのやっつけ仕事のことを指すようです。